眼内レンズの歴史は?

1949年 眼内レンズ誕生

イギリスの眼科医ハロルド・リドレー医師が発明。

PMMA(ポリメチルメタクリレート)というプラスチック製の硬いレンズで、レンズ挿入の際に折り畳むことができず、6mmの切開創が必要でした。

安価のため、発展途上国では今でもこの種類のレンズが用いられているケースがあります。

 

1980年代 超音波乳化吸引法(PEA)の確立

現在の白内障手術の主流となる超音波乳化吸引装置が進歩し普及します。

これにより、水晶体の核を超音波で分割して破砕、その後吸引除去し、眼内レンズを水晶体嚢に固定する技術が確立してきました。

折り畳み可能な眼内レンズがまだ登場しておらず、切開創は6mmのままでした。

 

1990年代 アクリル、シリコン製の眼内レンズの登場

レンズの素材が柔らかいアクリルやシリコン製の眼内レンズが登場します。

これにより、眼内レンズ挿入の際にレンズを折り畳んで挿入することが可能となり、切開創は小さくなりました。

 

1990年代後半 高性能眼内レンズの登場

プレミアム眼内レンズと言われる2焦点レンズや乱視対応の眼内レンズが登場しました。

 

2007年 日本で2焦点眼内レンズが承認

日本でプレミアム眼内レンズが正式に承認されました。

これにより、白内障手術と同時に老眼治療を行えるようになりました。

続く2008年には、2焦点眼内レンズが先進医療に認可され、より身近な存在になっていきました。

 

2014年 日本で2焦点トーリック眼内レンズが承認

トーリックレンズとは、乱視矯正レンズを意味します。

つまり、2焦点トーリック眼内レンズは、2焦点+乱視矯正レンズを兼ね備えた高性能レンズです。

 

2019年 日本で3焦点眼内レンズ、3焦点トーリック眼内レンズが承認

今までの多焦点眼内レンズは、遠くと近くの2焦点に合わせた眼内レンズでした。

2019年、ついに遠方、中間、近方の3焦点に合わせた眼内レンズが日本で承認されました。

これにより、より眼鏡に依存しない生活が可能となり、術後、快適な生活を送れるようになりました。