白内障は、水晶体を構成するタンパク質に異常が生じ、水晶体が濁ることが原因となります。
水晶体の構成成分は、タンパク質33%、水分66%、その他1%です。
つまり、ほぼ水とタンパク質で構成されています。
加齢やストレスなどが原因となり、タンパク質が変性すると、水晶体が白濁してきます。
タンパク質の一部は光により分解され、水晶体の黄ばみの原因となります。
生卵を例に考えていきましょう。
卵の白身は水晶体と同じくタンパク質で構成されています。
生卵の状態では白身は透明です。
タンパク質には自己修復機能というのがあり、なにかしらの異常が生じても自力で修復する機能を持っています。
目玉焼きを作るとします。
生卵をフライパンへ落とし、白身に熱が加わっていくと、さっきまで透明だった白身がだんだん白く変色していきますよね。
これは、タンパク質の修復機能が次第に失われ、白く変色していっていることが原因です。
水晶体も加齢などが原因で酸化ストレスがかかると、タンパク質の修復機能が次第に失われていきます。
よって、若い頃は透明だった水晶体がだんだん濁ってくる訳です。
話をフライパンの上の目玉焼きに戻しましょう。
先程の状態から更に熱を加えていくと、白身は完全な白色となります。
目玉焼きの完成です。
ここから、透明な生卵の状態に戻そうと思っても不可能です。
水晶体でも話は同じです。
修復機能を失った異常なタンパク質が増殖すると、水晶体が混濁します。
目玉焼きと同じように、1度変色したタンパク質は元の透明な状態に戻ることはありません。
以下の環境要因に注意
喫煙、紫外線、糖尿病、肥満、ステロイド内服などが白内障の進行を助長する危険因子と言われています。
傾向として、これらの要因にさらされる量が多ければ多いほど、白内障になる危険性が増します。
喫煙では喫煙量が多い方、紫外線では紫外線にあたる量が多い方、糖尿病では血糖値が高くその期間が長い方ほど、危険だということです。
喫煙者は禁煙や喫煙量を減らす努力を、糖尿病の方は血糖コントロールが何より重要です。
屋外で仕事をされている方など、紫外線を浴びる機会が多い方は、サングラスを装用されると良いでしょう。
肥満に関してはメタボリック症候群が有名ですが、BMI値が30kg/m2を超えると白内障になる危険性が高くなると言われています。
これらの要因は、白内障のみならず他の病気を誘発する危険因子でもあるので注意が必要です。