白内障手術を受けるにあたり制約ってあるの?
-手術直前編-

前回は、白内障手術を受けるにあたり制約ってあるの?―術前検査編―をお届けしましたが、散瞳検査後の制約と、コンタクトレンズ装用者の制約があるくらいで、大きな制約はありませんでした。

白内障手術を受けたいと考えていても、手術直前にはどんな制約があるのか、入院しないといけないのではないかなど、不安な方もいらっしゃるでしょう。

今回は、白内障手術直前にどのような制約があるか、お話していこうと思います。

 

入院は必要なのか?

白内障手術の進歩は目を見張るものがあります。

白内障手術の歴史は古く、紀元前800年頃のインドで記録が残っており、日本には西暦1360年頃、インドから中国を経て伝わったと言われています。

当時は、「墜下法」といって針金を眼球に刺し、水晶体を硝子体内(眼球内部)に落とすという非常に単純な手術でした。

当時は麻酔がなかったことから、手術台に身体を縛り付けられて、痛みに耐えていたようです。

想像しただけで恐ろしいですよね。

消毒や抗生物質もないので、術後の感染リスクが高いことが想像できます。

この「墜下法」ですが、西暦1800年頃までは行われていたというから驚きです。

その後、角膜を切開して水晶体を取り出す「摘出術」が誕生、眼内レンズの発明や、超音波乳化吸引術の確立と、白内障手術は日進月歩に成長します。

 

現在ではどうでしょうか?

 

水晶体を超音波の力で細かく砕いて取り除く超音波乳化吸引術、そして、折り畳み可能な眼内レンズにより、傷口を最小限に抑えた小切開手術が可能になっています。

どれくらい小切開なのかというと、創口はなんと2-3mm程度!!

縫合する必要はなく、自然に癒合します。

麻酔は点眼麻酔で手術が可能となり、注射をせずに手術ができます。

消毒、滅菌、抗生物質などの技術も非常に高いレベルになっており、白内障手術は痛みがなく、極めて安全性の高い手術となっています。

このような技術革新のおかげで、現在では、日帰り白内障手術が一般的となりました。

病院に入院することに抵抗がある方も多いと思いますので、住み慣れたご自宅から通院で手術を受けることができたら、心理的な負担も少なくなると思います。

この日帰り白内障手術ですが、クリニックで採用している例が多く、総合病院などでは入院にて白内障手術を行っていることもあります。

手術を受ける施設に確認しましょう。

また、入院した方が安心だけど、近くのクリニックで白内障手術を受けたいという方もいらっしゃるでしょう。

家に帰ったらついつい家事をしてしまうので、病院でゆっくり身体を休めたいという声もお聞きします。

家がクリニックから遠く、通うのが大変といった理由もあるでしょう。

クリニックでも、提携先の病院に入院可能な施設もあります。

なかには、手術後、提携先の病院まで送迎サービスを行っている場合もあり、安心して白内障手術を受けることができます。

希望される場合は、こちらも併せて確認しましょう。

 

手術数日前からの点眼

白内障手術日の数日前より、ご自宅で抗菌の目薬を点眼して頂きます。

手術をする眼(術眼)をできる限り清潔な状態にしておく必要があるためです。

施設により、処方される目薬が異なりますので、使用方法、回数は施設に確認してください。

一例を挙げると、手術日の3日前より、1日4回の抗菌薬の点眼を行って頂きます。

術眼を清潔に保つためにとても大事な目薬ですので、忘れず点眼するようにしましょう。

紙を用意して、点眼したらチェックを入れるくらい気を使ってちょうど良いです。

 

手術前日、いつも通り生活しても良い?

手術前日は、いつも通り生活しても構いません。

お仕事をされている方は、出勤して頂いても大丈夫です。

ウォーキングや体操などの運動も、いつも通りでOKです。

ただ、翌日は大事な手術日ですので、疲れすぎないように気をつけましょう。

アルコールもほどほどに!

 

いよいよ手術当日!

術前検査を経て白内障手術を受けることが決まり、いよいよ手術当日になりました。

良く見えるようになりたいという期待と、手術は心配だという不安が入り混じっていると思います。

医療技術や機器の進歩により、白内障手術は非常に安全な手術となっています。

手術時間は、片眼で10-15分ほどです。

歯医者で虫歯を治療するのと、大差がないくらい短時間ですよね。

どうぞ、リラックスして眼科へお越しください。

 

ご飯は食べてきて良いの?

白内障手術を受ける施設により、午後から手術を行う施設もあれば、午前から手術を行う施設もあります。

それぞれの手術開始時間、来院時間を間違えないようにしましょう。

食事についてですが、満腹すぎることや、逆に空腹の状態も良くありません。

腹7-8分目くらいを目安に、食事を摂ってから来て頂いても構いません。

 

お化粧はしてきても良いの?

これは、女性の方から良く聞かれる質問です。

お化粧は目の周囲を始め、顔に塗るものですから、目との距離がとても近いです。

術眼を清潔に保つ必要があるため、手術当日はお化粧をせず、来院してください。

もし、お化粧をして来院された場合、施設にて化粧を落としてもらうことになります。

手術前にバタバタして気持ちが落ち着かないと思いますので、うっかり化粧して来院しないようご注意ください。

 

普段服用している内服薬は続けても良いの?

全身疾患等で、毎日内服薬を服用されている方もいらっしゃると思います。

基本的には、内服を続けて頂いて問題ありません。

ただ、内服薬の種類によっては、ドクターより服用中止の指示が出る可能性がありますので、服用している内服薬は事前にお伝えするようにしましょう。

 

入浴してから来院しても良いの?

白内障手術後は、数日間、入浴や洗顔、洗髪についての制約があります。

よって手術当日、来院される前に入浴、洗顔、洗髪して来院されることをオススメしています。

スッキリした状態で眼科へお越しください。

 

車で来院しても良いの?

白内障手術が終わると、細菌等の感染を防ぐために、術眼を眼帯で保護します。

両眼同日で手術をされた場合、保護眼鏡でお帰り頂きます。

どちらにしても、ご自身で運転することは危険ですので、車で来院することはできません。

帰りに運転してもらえるお連れ様がいる場合は、この限りではありません。

 

いかがでしたでしょうか?

医療技術、機器の進歩により、白内障手術はここまで身近な手術となりました。

冒頭でお話しした、白内障手術を「墜下法」で行っていた時代からは、考えられないほど低侵襲な手術が可能になっています。

まさしく、雲泥の差ですね!

白内障手術を検討中の皆さんは、どうぞ安心して眼科へお越しください。

次回は、白内障手術を受けるにあたり制約ってあるの?―手術後編―をお届けします。