正確な術前検査は満足度の高い白内障手術に繋がる ―眼軸長測定器編―

今回は、「正確な術前検査は満足度の高い白内障手術に繋がる」と題し、そのフラッグシップともいえる眼軸長測定器にスポットライトを当てていこうと思います。

 

一昔前の眼軸長測定器は、超音波式が用いられていました。

超音波式眼軸長測定器は、接触型とも言われ、目に直接測定器を接触させて検査する方法でした。

よって、患者様に点眼麻酔を行った上で測定する必要がありました。

患者様への負担が増えるほか、検査員の技量の差も出やすく、お世辞にも精度が高いとは言えない検査でした。

 

時代が変わり、光学式眼軸長測定器が登場します。

光学式眼軸長測定器は、非接触型とも言われ、目に触れることなく眼軸長測定が可能です。

点眼麻酔が不要になり、患者様への負担が激減したほか、目へ接触することなく自動で測定を行うため、検査員の技量の差がほぼなくなったと言えるでしょう。

 

それから、さらに時代は進み、光学式眼軸長測定器は進化を続けます。

正確かつ満足度の高い白内障手術を追求する上で、光学式眼軸長測定器の更なる技術革新が必然だったのです。

では、具体的にどのような技術革新があったのでしょうか?

 

今回は、光学式眼軸長測定器の一例としてTOMEY社・OA2000をご紹介します。

 

「1点測定」と「多点の測定」

OA2000では、測定光の利用効率が高く、高速走査が可能なフーリエドメイン方式が用いられています。

この測定法により、高い組織透過度による高感度測定と、網膜水平面約1mmの範囲でなんと41点もの走査が可能になっています。

走査により得られたBスキャン像から、混濁が少なく測定が可能な部位を自動検出する「多点の測定」を行うことで、混濁の強い眼でも測定が可能になっています。

 

白内障は、眼の中の水晶体が混濁する疾患ですが、外界の光が眼内に入りにくくなるのと同様、検査で用いられる測定光も眼内に入りにくくなってしまいます。

 

従来の光学式眼軸長測定器による「1点測定」では、水晶体の混濁を避けて測定することが難しかったのが、OA2000による「多点測定」では、水晶体の混濁が少ない部位を自動検出することで、より精度の高い測定が可能になっています。

 

測定誤差を最小限に!

OA2000は、患者様の眼の動きを自動追尾するオートアライメント機能が搭載されています。

検査員はモニター上で瞳孔中心を指示するだけで、装置が自動でアライメント調整を行います。

これにより、検者間による測定誤差が生じにくくなっています。

 

熟練を要する検査であればあるほど、測定結果に検査員の熟練度差が出てしまいます。

人間である以上、熟練度の高い検査員でも僅かな測定誤差が出ることもあるでしょう。

 

「デジタル化」、「自動化」が進む現代ですが、眼科検査機器にもたらされるこれらの恩恵は、「正確かつ満足度の高い白内障手術」を行うために活用されています。

 

まとめ

光学式眼軸長測定器は、白内障手術においてなくてはならない存在です。

その中でも、OA2000は高い精度を誇る眼軸長測定器です。

「正確かつ満足度の高い白内障手術」を心掛けることは、とても重要なことです。

白内障手術は、手術実績が豊富かつ最新の検査機器を備えた眼科で受けられることをお勧めします。