今回のテーマは、「正確な術前検査は満足度の高い白内障手術に繋がる―優位眼検査編―」です。
一見、白内障手術と関係あるの?と思われるかもしれませんが、白内障手術をするにあたり大切な検査の1つです。
優位眼とは?
優位眼とは、優位に使う眼、すなわち利き目のことです。
人間誰しも利き手があるように、利き目が存在します。
利き手に関しては、お箸を持つ手、字を書く手など、本人が自覚していますが、利き目に関しては自覚していない方が多いようです。
なぜでしょうか?
答えは簡単、人間は普段両目を開けて生活しているからです。
今はどっちの目を優先的に使っているかなんて、いちいち気にしないでしょう。
でも、よく思い出してください。
生活しているなかで、ウィンクするシチュエーションってないですか?
望遠鏡などの鏡筒を覗くとき、的当てゲームをするときなど、ウィンクして片目でものを見ますよね。
これは、利き目を使って照準を合わせています。
つまり、片目を隠してものを見るとき、目が開いている方の目が利き目なのです。
優位眼検査法
自宅でも簡単にできる、優位眼検査法をご紹介します。
自分がいる位置から少し離れたところにある動かないモノ、かつ適度な大きさのものに照準を合わせると良いでしょう。
壁にかけた時計などが好適です。
眼科では、検査精度を上げるために、何度か同じ検査を行うことが多いです。
左右同程度の視力、屈折値(目の度数)の方など、優位眼が変動する場合があるからです。
優位眼と白内障手術の関係は?
優位眼についてご理解頂けたところで本題です。
なぜ、白内障手術に向けた術前検査で優位眼検査を行うかというと、眼内レンズ度数選定にあたり、必要な情報だからです。
保険適応の単焦点眼内レンズにおいて、あえて左右眼の度数差をつけるモノビジョン法があります。
モノビジョン法では、左右眼の度数差をつけることで、焦点が合う範囲を広く保ち、眼鏡を装用せず生活できる範囲を広くします。
そして、このモノビジョン法において、優位眼を遠方に、非優位眼を近方に合わせるのが原則になっています。
元々左右差のある近視眼の場合、優位眼を近方に合わせることもあります。
モノビジョン法は、保険適応内で術後の眼鏡依存率を下げる効果的な方法ですが、もともと左右眼に度数差がない方や、比較的若い方だと合わないケースもあるので、執刀医と相談してみてください。
左右眼の度数差を少なくするマイクロモノビジョン法もあります。
まとめ
白内障手術に向けた術前検査において、優位眼検査も欠かせません。
眼内レンズ度数選定にあたり、優位眼を遠方に、非優位眼を近方に合わせるモノビジョン法があるからです。
優位眼は、自宅でも簡単に検査することが可能です。
どちらの目が優位眼なのか気になった方はぜひ試してみてください