ハロー・グレアってなに!?

今回のテーマは「ハロー・グレアってなに!?」です。

白内障手術についてインターネットで情報を調べていると、何度か目にしたことのあるワードだと思います。

主に、多焦点眼内レンズのページで見かけることの多いワードです。

ハロー・グレアとは、一体何なのでしょうか。

今回は、ハロー・グレアについて解説していきます。

 

ハロー・グレアとは

ハロー・グレアとは、それだけで1つのワードのように感じますが、実はハローとグレアに分別され、それぞれ別の意味があります。

 

ハローとは、光の周囲に輪がかかっているように見える現象です。

夜間のネオンライトや、対向車のヘッドライトの周囲に輪がかかっているように見えます。

本当は1つの光なのに、輪がかかることでぼんやり見えてしまいます。

 

グレアとは、光源を見た時に光がギラついて眩しく感じる現象です。

光源のギラつきを強く感じ、光が筋状に見えることもあります。

 

どちらも、光源を見た時に感じることなので、主に夜間の外出時や運転時に感じることが多い現象です。

 

このハロー・グレアですが、多焦点眼内レンズを挿入した目に感じやすいと言われています。

 

「多焦点眼内レンズってなに!?」という方のために、簡単におさらいをしておきます。

多焦点眼内レンズとは、文字通り「多く(複数)の焦点をもつ眼内レンズ」です。

 

通常の保険適応の眼内レンズは、単焦点眼内レンズと呼ばれ、焦点が合う位置は1ヶ所になります。

 

つまり、遠方に焦点を合わせた眼内レンズを選択すると、遠方は鮮明に見えますが、近方を見るとぼやけてしまいます。

よって、近方を見る時は近用眼鏡が必要になってきます。

 

逆に、近方に焦点を合わせた眼内レンズを選択すると、近方は鮮明に見えますが、遠方を見るとぼやけてしまいます。

よって、遠方を見る時は遠用眼鏡が必要になってきます。

 

「せっかく白内障手術をするのに、眼鏡をかけないといけないの?」、そう感じる方もいらっしゃるでしょう。

「どうせ白内障手術をするのなら、術後は眼鏡なしで生活したいわ」という声も良くお聞きします。

 

そんなニーズにより誕生したのが、多焦点眼内レンズです。

多焦点眼内レンズは、別名「老視矯正眼内レンズ」とも言われ、複数の焦点を持つ眼内レンズであることから、術後の眼鏡依存率を大幅に減少することができ、現在、世界中の医療メーカーが開発競争を行っています。

右肩上がりに成長している眼科分野と言って良いでしょう。

 

一言で多焦点眼内レンズと言っても、メーカーや製品モデルにより構造は多種多様で、焦点が2つの2焦点眼内レンズ、焦点が3つの3焦点眼内レンズ、焦点が5つの5焦点眼内レンズなど、多岐にわたります。

また、EDOFといわれる焦点深度拡張型眼内レンズも存在します。

EDOFについては、過去の記事にてご紹介していますので、詳しく知りたい方はご覧ください。

 

焦点深度拡張型レンズ(EDOF)とは

 

そんな多焦点眼内レンズですが、少なからずデメリットも存在します。

その代表格の1つが、ハロー・グレア現象なのです。

 

ハロー・グレアの感受性には個人差がある

目は感覚器官の1つです。

同程度のハロー・グレアを生じていても、「Aさんはほとんど気にならないと思っていても、Bさんにとったら我慢ができない」といった場合もあります。

 

そもそも光に敏感で、良く眩しがる人はハロー・グレアについても敏感になるでしょう。

 

また、生活習慣によっても感じ方が異なります。

夜間はほとんど出歩かない人と、毎日夜間の車の運転をする人とでは、強い光源を見る頻度が変わることから、ハロー・グレアの感じ方に違いが出てくるでしょう。

 

医師の診察で、ライフスタイルについて聞かれることがあると思いますが、会話の中から眼内レンズの適応についても判断することができます。

白内障手術前の診察では、ご自身のライフスタイルについて、積極的にお話しするようにしましょう。

 

ハロー・グレアは対策可能!

ハロー・グレアは、偏光眼鏡を装用することで、対策が可能です。

偏光眼鏡とは、光の乱反射をカットすることで、眩しさの原因となる光をカットする眼鏡です。

「夜でも偏光眼鏡を装用できるの?」と思われるかもしれませんが、ご安心を!

夜間運転対応の偏光眼鏡も存在します。

 

多焦点眼内レンズは、白内障手術と同時に老視(老眼)治療もできる、とても優れた眼内レンズです。

夜間運転する機会が多く、術後のハロー・グレアを心配されている方は、是非とも夜間運転対応の偏光眼鏡をご検討ください。

 

まとめ

ハロー・グレアは、主に多焦点眼内レンズの術後にみられる症状です。

ハロー・グレアを自覚するかどうかは、製品モデルの差だけでなく、ライフスタイルや個人の感受性の差が関係します。

ハロー・グレアについては、偏光眼鏡で対策をすることが可能です。

快適な“視生活”を送るために、皆様にとって最適な眼内レンズが見つかることを願っています。