眼内レンズの種類は?

単焦点眼内レンズ

最もオーソドックスな眼内レンズです。

保険適応となるため、多くの方が単焦点眼内レンズを選択します。

ピントが合う位置が1点となるため、その他の距離を見る時は眼鏡が必要になります。

 

例えば、遠くの距離にピントを合わせた眼内レンズを選択した場合、近くを見る時は近用眼鏡(老眼鏡)が必要になります。

車を運転される方、趣味で演劇鑑賞をされる方、ハイキングへ行かれる方など、裸眼で遠くを見たいという方にオススメです。

 

逆に、近くの距離にピントを合わせた眼内レンズを選択した場合、遠くを見る時は遠用眼鏡が必要になります。

趣味が読書の方、パソコンを良くされる方、裁縫を良くされる方など、裸眼で近くを見たいという方にオススメです。

 

遠くや近くに特化せず、家事などの日常生活をある程度裸眼で過ごしたいという場合、1-2mの中間距離にピントを合わせたレンズを使用することもあります。

 

どの距離を裸眼の状態で見られるようにしたいかを考えて決めると良いでしょう。

 

モノビジョン法

「白内障手術の後、できるだけ眼鏡なしの生活がしたいけど、多焦点眼内レンズは高いので手が出ない…。」

そんな方に選択肢の1つとしてあるのが、単焦点眼内レンズを用いたモノビジョン法です。

 

人間は誰でも利き腕があるように利き目があります。

眼科用語では、利き目のことを優位眼と言い、利き目でない方を非優位眼と言います。

 

普段は両眼でものを見ているので、優位眼がどちらなのか分からない方も多いでしょう。

望遠鏡を覗く時、射的ゲームで照準を合わす時は片眼をつむりますよね?

その時、片眼で見ようとする方の眼が優位眼です。

 

左右眼で視力差や度数差がある場合、優位眼は固定しやすい傾向にありますが、同程度の場合は変動する場合があります。

 

自宅でも簡単に利き目を調べる方法がありますのでご紹介します。

 

利き目について理解してもらえたところで、本題に戻ります。

単焦点眼内レンズを用いたモノビジョン法では、一般的に優位眼を遠くの距離、非優位眼を近くの距離に焦点を合わせた眼内レンズを用います。

これにより、単焦点眼内レンズながら、比較的眼鏡に依存しない生活を送ることができます。

 

一見、良いこと尽くめのモノビジョン法ですが、万人受けする訳ではありません。

手術前の眼の度数が左右均等であったり、神経質な性格の方だったりすると、モノビジョン法を用いて左右差をつけることで、脳が見え方に慣れるまで時間がかかることがあります。

モノビジョン法は、白内障手術を執刀される先生により賛否両論ですので、手術を受けられる際は執刀医と良く相談してみてください。

 

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズは、文字通り「多くの焦点を持つ眼内レンズ」です。

多焦点眼内レンズにも種類があり、遠方と近方に焦点の合う2焦点眼内レンズ、遠方・中間・近方に焦点の合う3焦点眼内レンズがあります。

更には、3焦点に遠中・中近を加えた5焦点眼内レンズまで登場しました。

眼内レンズは、世界の医療機器メーカーが開発競争を行っており、今後も続々と新しい機能を持った眼内レンズが登場することが予想されます。

 

そんな多焦点眼内レンズですが、やはり1番のメリットは、裸眼で遠くも近くも見えるようになることでしょう。

手術の後、眼鏡に依存せず、裸眼の状態である程度過ごすことができるようになります。

 

ただ、注意しないといけないのは、いくら高性能な多焦点眼内レンズだとしても、10代の頃のようなシャープな見え方には戻らないということです。

最先端の技術がつぎ込まれている多焦点眼内レンズですが、10代の頃のような眼を完全に再現することは不可能です。

1枚の眼内レンズで遠くも近くも見えるようにするには、光を遠くと近くでそれぞれ振り分けて、その距離のものが見えるようになります。

どうしても若い頃の眼と比べると、鮮明度は低下してしまいます。

 

また、多焦点眼内レンズの多くは、夜間を考慮し、暗くなると遠方に光配分が多くなる設計になっています。

よって、読書など近方を鮮明に見たい時は、デスクライトなどで明るく照らすと良いでしょう。

 

多焦点眼内レンズの1番のデメリットは、単焦点眼内レンズと比べて費用がかかる点でしょう。

単焦点眼内レンズを用いた白内障手術の場合、健康保険3割負担の方で片眼約6万円ですが、多焦点眼内レンズを用いた場合、全額を健康保険適応とすることができず、片眼につき数十万円が相場になります。

 

2020年4月より、多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は選定療養と自由診療を選択できるようになりました。

選定療養では、手術にかかる費用が健康保険適応となり、多焦点眼内レンズ代は自己負担となります。

選定療養で選択できる多焦点眼内レンズは、日本国内で承認された多焦点眼内レンズに限られます。

 

その他、日本国内で承認されていない多焦点眼内レンズを用いる場合は、全額自己負担の自由診療となります。

 

なぜ、日本で承認されている眼内レンズと未承認の眼内レンズがあるのかをご説明します。

眼内レンズの製造は、主に欧米の企業が行っています。

アメリカの医薬品認証はFDA、欧州ではCEマークを取得すれば承認を受けたことになります。

アメリカの企業はFDA取得した後、日本の薬事承認を取得します。

そこで認定されると、日本国内承認レンズとなります。

 

ところが、欧州の企業は日本の薬事承認を取得する考えがないため、薬事承認の申請がされません。

これらにより、欧州系の多焦点眼内レンズを使用する場合は、自由診療となり、全額自己負担となってしまうのです。

 

多焦点眼内レンズそれぞれに特性があり、手術を受ける方のライフスタイルや性格などにより、相性があります。

手術を検討されている施設でご相談してみてください。