☆この記事のチェックポイント☆
- 遮光眼鏡は、羞明の原因となる500nm以下の短波長光(青色光線+紫外線)を選択的にカットし、その他の波長の光はできるだけ多く通すように設計された特殊なレンズ
- 偏光眼鏡は、水面・路面などの反射光(ぎらつき)をカットする特殊なレンズ
- 夜間の運転にも対応した夜間運転対応レンズがある
- 太陽光に含まれる紫外線や光によって、カラー濃度が変化する調光レンズ(可視光線調光レンズ)もある
白内障術後の患者の訴えの1つに、羞明(光が眩しい)があります。
患者が眩しさを感じる光は多種多様で、日中の太陽光、夜間のネオンライト、車のヘッドライト、室内のLED灯など。
原因としては、白内障があった頃は、水晶体の混濁により眼内に入る光量が制限されていたのが、手術によりクリアな眼内レンズと置換され、眼内に入る光量が増えることで眩しいと感じることや、多焦点眼内レンズでは、レンズの構造上の問題で夜間のハロー・グレアを感じやすいこと、などがあります。
ハロー・グレアに関しては、過去にコラムを書いていますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
白内障術後に生じた羞明について、慣れが解決する場合もありますが、どうしても慣れなければ遮光眼鏡、偏光眼鏡を装用すると羞明が軽減できます。
今回は、遮光眼鏡、偏光眼鏡をご紹介していきます。
遮光眼鏡とは?
遮光眼鏡は、羞明の原因となる500nm以下の短波長光(青色光線+紫外線)を選択的にカットし、その他の波長の光はできるだけ多く通すように設計された特殊なレンズです。
500nm以下の短波長光は、とくに光の散乱率が高く、エネルギー量が多いとされています。
要は、羞明の1番の原因となる波長光であり、この波長帯の光を選択的にカットすることで羞明を抑えることができます。
「選択的に」というのがミソで、すべての波長帯の光を均一にカットしてしまうと、眩しさは抑えられるけど、視界が暗いレンズになります。
太陽の日差しが強い、真夏の炎天下ならそれでも良いかもしれませんが、サングラスを装用したまま室内へ入ったり、木陰に入ったり、シチュエーションは多種多様です。
短波長光以外の光は積極的に透過させることにより、視界の明るさを維持した状態で、眩しさを軽減させることができるのです。
偏光眼鏡とは?
偏光眼鏡は、水面・路面などの反射光(ぎらつき)をカットする特殊なレンズです。
街中でよく見かける車やビルなどのガラスからくる眩しい反射光をカットします。
偏光眼鏡は特殊な構造をしており、通常のカラーレンズの間に偏光フィルムを挟み込んでいます。
偏光フィルムは、ブラインドカーテンのような膜になっており、見ようとする対象物から直線的に入ってくる光、すなわち一定方向から入ってくる光だけを通す仕組みになっています。
つまり、路面など乱反射により斜め方向から入ってくる光を遮ることが可能です。
反射光のほとんどは、乱反射して斜め方向から目に入ってきます。
偏光眼鏡は、通常のカラーレンズによる光の減光効果+偏光フィルタによる反射光カット効果により、非常にクリアな視界を得ることができるのです。
車の運転をよくされる方には最適な眼鏡と言えるでしょう。
水面の眩しさを抑えるという点から、マリンスポーツやフィッシングにも最適です。
また、雪面の眩しさも抑えることから、スキーやスノボーなどのウインタースポーツにもマッチします。
夜間の運転には、夜間運転対応レンズを!
遮光眼鏡・偏光眼鏡共に夜間運転対応レンズが存在します。
夜間の車の運転時も装用したい方は、必ず夜間運転対応レンズをお選びください。
この夜間運転対応レンズですが、カラー濃度が薄くなるため、日中の強い日差しの下では十分に羞明対策できない場合があります。
ご自身がどのようなシチュエーションの光に対して羞明を感じているのか、またその程度はどれくらいかをよく理解した上で、レンズを選定することをオススメします。
日中用、夜間用の2種類持っておくのも選択肢の1つになります。
調光レンズもあり!
調光レンズは、太陽光に含まれる紫外線や光によって、カラー濃度が変化するレンズです。
調光レンズにも種類があり、紫外線によってカラー濃度が変化する調光レンズや、紫外線だけでなく目に見える光(可視光線)でもカラー濃度が変化する可視光線調光レンズなどがあります。
紫外線量や光量の変化により、レンズがオートマチックにカラー濃度を変えてくれるので、羞明を感じるシチュエーションに合わせて効率的な対策が可能です。
ただ、気をつけなければいけないポイントがあり、カラー濃度が変化するのに少し時間がかかることです。
色が濃くなるスピードは速いですが、薄くなるには時間を要します。
車を運転していてトンネルの中へ入った時など、すぐにカラー濃度が薄くならないので注意が必要です。
また、車のガラスにはUVカット機能がついているものが多く、通常の調光レンズでは、レンズカラーが薄くなる傾向にあります。
車の運転で調光レンズを使用したい場合は、前述の可視光線調光レンズを選択したり、ベースカラーがある程度濃い調光レンズを選択したりすると良いでしょう。
さらに調光レンズは、気温によって濃度変化に差が生じ、気温が低いと濃く、高いと薄くなりやすくなります。
夏場より冬場の方が、よりカラー濃度が濃くなりやすい特性があります。
購入する際は、その点も考慮してカラーを選ぶようにしましょう。
まとめ
白内障術後の愁訴として多いのが羞明です。
羞明は、遮光眼鏡・偏光眼鏡で対策が可能です。
- 遮光眼鏡は、羞明の原因となる500nm以下の短波長光(青色光線+紫外線)を選択的にカットし、その他の波長の光はできるだけ多く通すように設計された特殊なレンズ
- 偏光眼鏡は、水面・路面などの反射光(ぎらつき)をカットする特殊なレンズ
- 夜間の運転にも対応した夜間運転対応レンズがある
- 太陽光に含まれる紫外線や光によって、カラー濃度が変化する調光レンズ(可視光線調光レンズ)もある
皆様のニーズに合った最適な1本が見つかることを願っています。
